生活とテクノロジーをつなげ、
新たな体験価値をモノから創造する
私たちの生活はテクノロジーによって常に変容してきました。身近な例としてスマートフォンが挙げられます。今では電話として用いるよりも、写真を撮ったり、音楽を聴いたり、動画を観たり、インターネットから様々な情報を得るなどのほうが多くなっています。そして、それは既に私たちの生活に欠かせません。ただし、便利な反面、依存症になってしまう人もいます。プロダクトデザイン学科では、私たちが手に触れて用いるモノからテクノロジーのより良い扱い方を考え、「心身ともに健康で安心なこと、満足できる生活状態」であるウェルビーイング(well-being)などの新しい体験価値を提案できる人材を育みます。
Feature
特徴
UI?UXを重視した教育
分かりやすく使いやすいデザイン設計「UI?UX」演習を学科の必修にしています。「かっこいい」だけのデザインではなく、そのモノの目的をきちんと理解できる、何にでも応用可能なスキルを養っていきます。
専門性の高い学び
将来目指す姿を1年次より見据え、その実現に向けて、製品?UI/UX?家具?インテリア?地域産業のデザイン領域を深く学んでいきます。技術の習得はもちろんのこと、発想力や主体的に考える力にもつながります。
就職につながる産学連携
3年次はそれぞれの専門領域で、デザイン開発の実際を体験できる産学連携授業を行っています。プロとしての自覚とテクニックが養われ、大手メーカー、および地域企業への就職につながっています。
Curriculum
授業紹介
共感や感動につながるモノをデザインする上で大切なのは、「モノ」だけでなく「コト」も含めて考えることです。使いやすい形、人に優しい機能など、形や 色、素材が持つ意味や目的を理解する基礎を学んでから、年次に合わせた実践的な専門演習に取り組みます。
1年次
基礎力と思考力を育む
土台作りとして、広範囲なプロダクトデザイン領域における基礎的な知識や技術を学習。さらにデザイン思考の手法を学び、その過程とプレゼンテーションを通して、論理的思考を習得します。
〈 知識 〉 | 〈 スキル 〉 | 〈 ロジック 〉 | |
---|---|---|---|
前期 | プロダクトデザイン入門 『デザイン領域の紹介』 |
素材?造形1 【モデルボード?スタイロフォームなどによる造形】 コンピュータ基礎演習 【Illustrator/Photoshop】 デッサン?スケッチ 【デッサン?スケッチの基礎】 |
思考?構想演習 【キャリアデザイン+デザイン思考】 |
後期 | インターフェースデザイン論 応用人間工学 材料加工技術論 プロダクトデザイン論1 |
素材?造形2 【木材?金属?プラスチックなどによる造形】 コンピュータ演習 【製図2D?3D CAD CGモデリングの基本】 表現伝達演習1 【スケッチの応用?色彩設計】 |
UXデザイン演習1 【ユーザー調査】 |
2年次
各領域の基本を学ぶ
製品、インテリア、家具などの専門領域の基本を学びます。年間で計4つの領域が受講でき、自身の興味によって選択可能。さらにポートフォリオやUXの応用など、より実践で役立つスキルを養います。
〈 知識 〉 | 〈 スキル 〉 | 〈 ロジック 〉 | |
---|---|---|---|
前期 | インテリアデザイン論1 インテリアデザイン論2 プロダクトデザイン論3 |
プロダクトデザイン演習1?2 【製品/ユニバーサルデザイン/家具/インテリアより2つ選択】 表現伝達演習2 【CGモデリングの応用/ポートフォリオ作成】 |
|
後期 | プロダクトデザイン演習3?4 【製品/インテリア/家具/地域産業より2つ選択】 |
UXデザイン演習2 【コンセプトメイク】 |
3年次
各専門領域の実践
1年を通して、企業と連携しながら実際のデザイン開発を体験学習する演習に取り組みます。各領域で、社会状況を見据えた現実感のあるテーマに挑戦。プロのデザイナーとしての自覚とテクニックを育てます。
前期 | プロダクトデザイン演習5 【モビリティ/製品/UIUX/地域産業/家具(成形合板)/空間(色彩)/空間(インテリア)】 |
後期 | プロダクトデザイン演習6 【モビリティ/製品/UIUX/地域産業/家具(曲木)/空間(色彩)/空間(インテリア)】 |
4年次
実践を通して専門を深める
実社会や企業が現在抱えている課題をテーマに設定し、年間を通して取り組みます。その開発プロセスを実践する中で、これまで学んできた知識?スキルの総括を行います。
前期 | 課題発見?検証?試作 【製品領域/インターフェース領域/インテリア領域/家具領域/地域産業デザイン領域】 |
後期 | 本製作?展示準備 【製品領域/インターフェース領域/インテリア領域/家具領域/地域産業デザイン領域】 |
活動 Pick Up!
インテリア(color study)|プロダクトデザイン演習6
さまざまなモノに着色を施し、最も美しい「自分の100色」を自由な発想で造形物として制作、それらを人に見せる展示空間までを造り込むことで、商業空間などのインテリアデザインにおける色の意味や役割を考えます。
製品(カシオ計算機株式会社)|プロダクトデザイン演習3?4
専門領域の技術と知識を養う2年次教育においても産学連携を実施。調査や観察、コンセプトの検討、アイデアを可視化するためのスケッチやプロトタイプ制作、プレゼンテーションといったプロダクトデザインのプロセスを体験します。
UI/UX(株式会社東海理化電機製作所)|プロダクトデザイン演習5
自動車業界はEVや自動運転など100年に1度と言われる変革期を迎えています。自動車部品を製造する株式会社東海理化電機製作所との産学連携を通して、運転だけではない自動車の新しい体験価値の創造に挑みます。
地域産業(山形市伝統的工芸品振興会)|授業外?産学共創プロジェクト
山形市の伝統的工芸産業後継者育成対策事業である「職人と学生の交流事業」の一環として、本学科の2~3年生が山形市伝統的工芸品振興会と協力して製品開発。学生がデザインし職人が制作する新しい取り組みに挑みます。
Career
進路
取得可能な資格
卒業時取得可能資格
小学校教諭一種免許状、中学校教諭一種免許状(美術)、高等学校教諭一種免許状(美術)、学芸員
※指定の科目を受講することで取得できます。
受験資格の取得
インテリアプランナー、商業施設士補、商業施設士
進路一覧
【家電、事務機器等】アルプス?アルパイン/NEC/オリンパス/カシオ計算機/キヤノン/小森マシナリー/コロナ/シヤチハタ/JUKI/セイコーエプソン/ダイキン工業/テスコム/東芝/ニコン/日特エンジニアリング/パイオニア/バルミューダ/富士ゼロックス/富士通ゼネラル/山形カシオ/リコー
【自動車、輸送機器】クボタ/KTEC(川崎重工)/シマノ/スズキ/SUBARU/ダイハツ/東海理化/豊田合成/豊田自動織機/トヨタ自動車/日産自動車/林テレンプ/日野自動車/フィアロコーポレーション/本田技術研究所/ホンダテクノ/マツダ/三菱自動車/ミドリオート
【日用品、雑貨、アクセサリー等】アシックス/エポック社/貝印/ケイ?ウノ/シマノ/スノーピーク/保志(アルテマイスター)/テラモト/HARIO/バンダイ/マーナ/ミズノ/ムーンスター/吉田
【家具】朝日相扶/市場/奥羽木工所/カンディハウス/天童木工/成澤木工/日本ベッド/飛騨産業/冨士ファニチア
【住宅、インテリア、空間等】アクタス/一条工務店/エトワール/オカムラ/オノヤ/河淳/劇団四季/スペース/積水ハウス/東京インテリア/東北ミサワホーム/TOTO/ナブコシステム/博展
【デザイン事務所、設計等】あとらす二十一/グッドパッチ/GKダイナミクス/SOLIZE/トランスコスモス/フラー/メンバーズ/WOW
【広告、印刷等】川島印刷/進和ラベル印刷/スマッシュ/日進堂印刷所/プランニングA
【教員、公務員等】牛久市立牛久南中学校/大崎市立古川中学校/北茨城市立中郷中学/第一学院高等学校/福島県職員/山形県警
【その他】あさひ/H&M/カインズホーム/清川屋/KDDIエボルバ/ケンランド/サンジェルマン/JR東日本/スズキ自販/ダイユーエイト/ツルハ/パンセ/ビッグカメラ/日比谷花壇/星野リゾート/モンベル/ヤフー/山形ゼロックス/山形日産/ヤマザワ/良品計画/ルートイングループ ほか
Professor
教員紹介
酒井 聡 学科長
Sakai So
教授/インタフェースデザイン、インタラクションデザイン
ものづくりを通して人、社会とつながり、
私たちの生活に新しい価値を創造する力を育む。
自動車や家電、情報通信端末、家具、生活雑貨など、私たちは身の回りにあるさまざまなものを通して生活を便利にしています。それらのさまざまなものを創り出すには、その形や素材、色、機能、そのものから生まれる体験価値などを丁寧に考え設計することが必要です。
プロダクトデザイン学科では、4年間を通して考える力と設計するための技術、さらにその魅力を人に伝える方法を学びます。例えば、1年生ではカトラリー制作を通じて素材に触れるだけでなく、使い勝手や加工法を学ぶなど、デザインの基礎から始めます。2年生では、人々が求める製品とは何か、製品が提供する体験価値は何かを考えながら提案する力を養い、3年生では産学共創プロジェクトとして企業などと実践的な提案力を身に付けます。4年生はその集大成として卒業研究に取り組みます。自身で身の回りにある課題を取り上げ試行錯誤しながら研究と制作をします。
このように丁寧な教育体制の中で未来の生活を創造できる人材育成を行います。